第零章:紅い月に飲まれた街

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2010年。 日本の夜空に異変が起きる。 優しく人々を照らしていた、黄金色の月は消え、血のように赤い、紅い月が現れた。 紅い月に照らされた街は、人々は、それまでの日常を失った。 紅い月の光を浴びた人々の大半が、未知の能力を手に入れた。 ある者は、指先一つで他者を切り裂き。 またある者は、自然を意のままに操る。 そして……。 能力を得なかった者は、能力者に怯える生活へと変化して行った。 また、能力を得た者も、明暗に分かれる。 己の能力を受け入れ、その能力を上手く使いこなす前者。 突然、訳も解らず得てしまった能力に怯え、力を抑えられず、能力に飲み込まれてしまった後者……。 そして人はいつしか、夜が来るのを恐怖し、元凶となった紅い月を『紅月ーくれづきー』と呼ぶようになった。 何故、紅月が現れたのか、紅月は一体なんなのか……。 誰も何も明かせぬまま、刻は過ぎ行くーー……。      image=380414284.jpg
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