第一章:月に魅せられた夜①

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逢莉が先ほど放った紅蓮刹那(グレンセツナ)は、いわゆる幻炎である。 感じる炎の熱は本物と変わりない為、相手は幻炎と気付かず本当に焼かれていると思い込むが、実際は火傷一つ負う事はない。 「さて、こいつらに襲われた女の子も無事に保護したし、あたし達も戻りましょ」 イマイチ緊迫感のないオネェ口調の由が、そう促した為、肩に下がった髪を払った逢莉が頷く。 「そうね、あとは本部に任せましょう」 そして、気絶している男たちを由が担ぎ、彼女たちはその場を後にした。  
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