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「唯、高校生にもなってそんなこと言う奴いないと思うよ。気にすることないって」
「いいえ、甘いわね新ちゃん。高校生なんてまだ子供中の子供。“天パ天パ”って言ってくる悪ガキもいるでしょうね」
「ちょっ…姉上!!せっかくフォローしてたのに僕の意見潰さないでくださいよっ」
「あら、本当のことを言っただけよ。でもね唯ちゃん、今度天パなんて言われたらそいつの股間蹴り上げてやりなさい。そうすればからかわれる事なんて無くなるわ♪」
にっこりと笑った姉ちゃんに思わず女の私でも背筋がゾクッと凍る。
兄ちゃんなんか顔が青ざめてるよ…。
ああ…姉ちゃんに期待した私がバカだった…。
そんなことしたら私の青春スクールライフはめちゃくちゃだ。
『はぁ……やだなぁ…学校。急に行きたくなくなってきた』
「そんなこと言わないで…ね?せっかく合格した高校でしょ?」
『どうせ誰でも入れるバカ高校だし』
「ゔ…まぁそうだけどさ…」
わあ、肯定しちゃったよ。自分も行ってる高校なのにね。
なんて考えてたら頭の中がさらにもやもやし出した。
『あ~…ごちゃごちゃ考えてたら頭痛くなってきた!もう寝るね、二人ともおやすみなさい!』
「「おやすみ」」
***
「姉上、どう思います?唯の高校生活」
「もうっ新ちゃんまで心配してどうするの!きっと大丈夫よ。私も何だかんだで高校が一番楽しかったもの」
「そうですね…」
多大な不安とほんの少しの希望を持って眠りにつく。
これから起ころうとしている出会いなど、まだ誰も知る由もない。
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