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ピピピピピピピピ―――――――ッ…ガンッ
志村家の朝は、唯の目覚ましの音とそれが破壊される音で始まる。
『あー…高校の事考えてたら全然眠れなかったくそぅ』
ぶつぶつ文句をたれながら、寝ぼけ眼でリビングへ向かう。すると、玄関にいるらしい兄ちゃんに声を掛けられた。
頭がまだ冴えないまま、ボーッと声がする方へ顔を向ける。
「あ、唯おはよう。朝ごはん机に置いてあるからね」
洗いたての制服を身にまとい、学ランの第一ボタンまでしっかりと閉めている兄ちゃん。
地味だ地味だなんて言われてるけど、私はそんな兄ちゃんをかっこいいと思う。
あ、もちろんブラコン代表の妹からの視点だけどね。
『兄ちゃんもう出掛けるのー?』
ふぁーっと大きな欠伸をして、兄ちゃんに問いかける。
「うん。三年生は唯たち新入生の入学式の準備があるからね」
『そっかー…残念。兄ちゃんと学校行けると思ったのにー』
「ははっまた学校で会えるでしょ?それに唯には先約がいるじゃないか。じゃ、いってきます」
『?…いってらっしゃーい』
先約って…なんだっけ?
私誰かと約束した…?
……ま、いっか。
そうして兄ちゃんを見送ってリビングへ向かう。
もう姉ちゃんは着替えもきっちりすませて席に着いていた。
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