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「……これは、鍵か……?」
青年が手にしたのは鍵らしきもの。だが、鍵というには少々無理があるかもしれない。鍵の特徴でもある先端の凸凹も無ければ、色もどす黒いものではなく、真っ白という鍵らしくない色をしていた。
もしこれが鍵ではないとするならばいったいこれは何に使用するものなのか。青年は首を傾げることしか出来ない。
とりあえず純白の鍵(?)をポケットの中に放り込んで、青年は鉄で出来た扉の前に立つ。開くのかどうか調べるために軽く鉄の扉を押す。
(開くわけないよ……な……ッ!?)
キィと古ぼけた音と共にゆっくりと鉄の扉が開いていく。その光景に唖然とするしかない青年。
何秒か何分か分からないぐらいの時間を経てやっと思考が正常に働くようになった。というか、ここまで監禁状態が弱いといったい相手は何を考えているんだ、と余計に勘ぐってしまう。
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