戦慄の売春宿

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―・―・― 「ねぇねぇアクル~!どれにする~?」 「どれにしよっかな~……」 カウンター脇の掲示板。 そこに貼り付けられた沢山の紙切れを眺めるアクルとミリアの姿。 ここは“ギルド”のルシフィウス自治区支部。 “ギルド”というのはいわゆる斡旋所だ。 何の斡旋かというと、懸賞金付きの“タスク”だ。 詰まるところ指名手配犯を捕まえるだとかそういった事。 ちなみに言えば昨夜の大捕り物もコレの一つだった。 ギルドは一般人も治安という形で参加できる政治の一つだ。 タスクには二種類あり、一つは一般人からの依頼。 例えば『家出したペットを探して』だとか『落雷で壊れた屋根を治して』という物もある。 要は何でも屋。 二つ目は政府や自治体からの依頼だ。 これは指名手配犯の逮捕や地質調査等。 内容は秘匿性の高い物が殆どだが、何より賞金が良い。 二人はルシフィウス自治区でも有名な賞金稼ぎだ。 犯罪者を捕まえるタイプの依頼を好み、街の安全に貢献している。 おかげで自治区になった今もルシフィウス族はアクル達王族を尊敬しているし誇りを持っている。
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