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「ねぇコレ凄くない?この依頼」
アクルが珍しく犯罪欄ではなく一般依頼欄のタスクを指差した。
ミリアがその方向に目をやる。
「え?何これ?『蓬莱の玉の枝』を取ってこい?」
「コレも凄いよ!」
アクルが笑いを隠せず、声を大きくしながら言う。
ミリアが目で追う。
「うわぁ……『火鼠の皮衣を取ってきてくれ』だって」
「どっちもジパーグ自治区の貴族からの依頼だってさ。何に使うんだろね?」
「ボクに聞かれても分かんないよ。人間だけどジパーグ自治区出身じゃないし」
「だよね。ごめんねミリア」
アクルはちょっとだけ『マズイ』という雰囲気を出してミリアに謝った。
ミリアもその雰囲気を消すために掲示板に目をやった。
すると、とある依頼書が目に入った。
「あ!アクルが好きそうな依頼があるよ!『女学校の保健室の先生の一日代役』だっ…もがもが!」
アクルに口を塞がれたミリアが変な叫びをあげる。
だが辺りにいた人々のチクチクとした視線が二人に注がれる。
「あははー!ミリアは何を言ってるのかなー!私は別に治療と称して女の子を苛めたいなんて思ってないんだけどなー!」
そう言うアクルの目は血走っており、頬は妄想に上気していた。
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