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「アクル様。……貴女が何をしようと貴女の自由にございます。私は貴女の執事ですが、何かを押し付けようとは思っておりません。……しかしここにあるように貴女はこのルシフィウス自治区……いえ、ルシフィウス王国の王女なのです。そこの所だけはしっかりと……」
「分かってるよ!大丈夫!心配しないで?」
アクルは老人の言葉を遮るように言った。
バリクはまたしばらく黙っていたが、やがてゆっくり口を開いた。
「ミリア様がお待ちですよ」
「え!どこ!?」
その名を聞いた途端に輝いた瞳。
バリクは半ば諦めて言う。
「客間でございます。お気を付けて」
「うん!行ってきます!」
アクルは元気に返事をして部屋を後にした。
一人取り残されたバリクはどことなく寂しそうな雰囲気だった。
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