Xー導かれる声

10/20
前へ
/138ページ
次へ
「それじゃあ…やってみるよ?」 そう言ってアレックスの両手を優しく包むクリス。 「あ…///」 久しぶりに手を繋いだアレックスは一瞬だけ照れてしまって…それよりもクリスの方が顔を赤くしている事に気づかなかった。 『……………』 「はぁ…!!」 静まりかえった部屋で、突然クリスが声を出したので残りの二人(と一匹)はビクッと驚く。 「何か…見えた…?」 心配そうなアレックスに、クリスは『大丈夫』といった顔で答えた。 「見えたは見えたけど…『声』には関係なさそうだった」 「何が見えたんですか?」 興味があるのかアレックスより先にキョウコがクリスに言った。 「カレーライスとビーフシチューが天秤にかけられてた…つまりこんな大事な話をしてたのにアレックスは『夕飯どうしよ…』って考えてたって事!!」 とちょっとキレ気味にクリスはアレックスに言った。 アレックスも図星だったのか…クリスから目線を反らした。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

320人が本棚に入れています
本棚に追加