Xー序章【闇】

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俺の名前はクレス…いや、俺の名前なのかもわからないが、この【クレス】と言う言葉しか今は思い出せない。 今は何処に俺はいるんだろうか?手探りで分かったが、四方を壁に囲まれた場所(部屋?)のようだ。 何故手探りなのか…目の前は真っ暗で何も見えないからだ。いや、両目につけられた包帯が邪魔をしてるだけなのだが…これは【外すな】と脳が言っている。 【恐怖】…なのか?或いは【危険】を知らせているのか? 好奇心よりも…その【恐怖】の方が打ち勝っているのは言うまでもない。 ………よし、服は着てるようだし他の部分も動く…そう、ある一部分を除いて。 それは俺の【右腕】。 何故か冷たいし動かせなかった。 それに触られた感触も感じないし、とてつもなく硬い……右腕は死んでいるのか?ならば、この異常なまでの右腕の硬さにも納得がいく。 だが右腕が死んでいるのなら…いずれはそれが身体中に広がり死んでしまうのだろうか…? いや…今はそんな事よりも自分が何者なのかを考える事にしよう。 くそ…色々と考え過ぎてしまった。そう言えば…俺には【クレス】とは別にもぅ一つだけ思い出せる事がある。 これは自分の記憶障害を治すには関係のない事だとは思うが…一応思い出せる事の一つだ。 【睡眠は23時間】…つまり、俺が1日に活動できる時間は1時間のみ…。 まったく…不便な体だ。 だがこの場所(部屋?)から出るまでには…時間の事を思い出したい。 意識がなくなってきた…自分に言おう、おやすみ。
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