Xー導かれる声

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「おりゃ!!」 「ふん…」 ここは中央訓練場。生徒の運動、組み手の場所として使用している場所だが、今日も誰かが組み手をしてるらしい。 「遅いぞスコット!!」 そう言った金髪の男の子…マックスは素早いフットワークから鋭い蹴りをスコットの脇腹に蹴り込む。 が、さすがに体の大きなスコットはびくともしない。 「マックスだってまだまだだよ!!はぁ!!」 体の石化、つまり岩の塊のような拳をマックスに殴りつけようとする。 「そんなもん当たるかっつうの……ってえぇ!?」 マックスの足は見事に脇腹を捉えていたが、同時にスコットに捕まってしまうという失態をおかしていた。 振り下ろす拳。 お互い片足、片手は使えない状況…。マックスの頼みはもぅ片方の足しかない。 「くそが!!」 「おりゃ!!」 バチン…!!。 コンクリート同士がぶつかるような鈍い音と共に吹き飛ぶ二人。マックスは回転し、スコットも態勢を直しながら綺麗に着地。 そしてお互いを目線で確認する。 「やるな…昨日よりも全然硬てぇぞ!?毎日毎日何食ったらそんなに硬く…ってかお前身長伸びすぎなんだよ!!」 「お腹が空いたら食べるのは当たり前でしょ!!それに…マックスみたいに好き嫌いしないからさ僕は…」 いつの間にか口喧嘩に…。 「なら…」 「え?」 マックスが震えながら重い口を開いた。 「なら…ピーマン食べたらでかくなれんのかぁぁぁぁ!!バカスコット!!」 もはや涙目…やけくそにスコットに特攻をしかけたマックスだった。
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