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死なないで、ほしい。
男の子の暗に死を示す言葉が頭を回るなか、私は飛ばされた勢いで閉じていた目を開けた。
開けてみて、びっくりした。
こうちゃんと、別の女の子が、目の前に、いた。
女の子は最近入ったばかりの、金髪が印象的な子だ。
「ナミ!?」
私はどうやってここに来たのか、分からない。
分かるのは。
目の前で、抱き合っているこうちゃんと女の子の関係、と。
男の子が危ないってことだ。
私は知っていた。
こうちゃんが浮気してること。
知ってて、知らないふりしてた。
言わなくちゃ。
進まなくちゃ。
私が
幸せになるために。
夜の公園で、私は涙した。
悲しいからなのか、それとも。
始まりの涙か。
「こうちゃん、さよなら……」
私は弾かれるように走り出した。
これでいい。
前へいかなくちゃ。
前へ進ませてくれた、男の子。
あの子、死んじゃうかも。
そう思ったら、涙が溢れて、止まらなかった。
走らなくちゃ。
助けなくちゃ。
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