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「イタズラ?」
「お兄さんは、夜起きて待っていればいい。ただし、勇気が必要だ」
男の子はそう言って、口元に指をあてる。
「ちょっとだけ、勇気をだしてごらん」
「えっ」
男の子はくるり、また一回転。
僕は目を疑う。
男の子は、跡形なく、消えていたのだ。
『勇気をくれたのは、お兄さんだよ。だから、きっと……』
いない筈の男の子の呟きが、何故だろう。
頭の中で響いて消えた。
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