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進学のために東京に来て4年が過ぎようとしていた。
もともと人見知りな私は、一人暮らしをはじめてからというもの、ますます孤独になっていった。
母からすすめられて、通っていた病院にも、最近は足を運ばなくなっていった。
何枚書いただろう。履歴書を書く手が止まる。
受けても受けても、出ない内定。
私はもはや自暴自棄になっていった。追いつめられていた。
父親には、就職出来なければ帰ってくるなと、言われていた。
帰ろうにも帰れなかった。
だんだんとたくわえは底をつき、私は夜の世界で働こうかと、クラブに電話までしたが、やはり、自分には無理だと思い、あきらめた。
食べ物と言えばパンの耳と砂糖水だった。
私はこうして精神のバランスを崩していった。
気づくと、私は天井を見上げて、横たわっていた。
どうやらベッドの上にいるらしかった。
辺りは暗く、夜だという事がわかった。
起き上がろうとしてハッとした。
何かが手足を締め付けていた。
私は取り外そうとして、ジタバタと体を動かしたが、もがけばもがくほど、体力が奪われていった。
そうしているうちに、また深い眠りに落ちていった。
目が覚めた私は、自分がどこかの個室にいる事がわかった。
いつのまに、私の手足を締め付けていたものは、なくなっていた。
その部屋には、鉄の柵があり、まるで、刑務所か檻の様だった。
私は、自分が何か悪い事をして捕まったのではないかと、不安になった。
すると、白衣を着た先生らしき人が部屋に入ってきて、私にわけのわからない説明をしだした。
それから、医者は私に聞いてきた。
「麻薬をやっていた事ある?」
私は首をふった。
私の尿から薬物反応が出ているというのだ。
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