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核の地下封印完了から6年後……。
世界は復興の道から発展の道へ移り変わろうとしていた。
しかし、どの時代にも歪んだ愛国心を持つ者が存在する。
ある日、地球中が震撼する大事件が起きた。
元アメリカ軍の残党兵達が一斉蜂起し、世界中に封印されている核兵器を同時多発的に爆破したのだ。
爆破された都市は、中華民主主義共和国(中華人民共和国は大戦前の革命によって滅んでいる)の重慶、ロシアのモスクワ、フランスのパリ、アメリカ民主主義共和国(大戦後に改名)のロサンゼルス、サクラメント、ニューヨークといった都市である。(他にも福岡、ロンドン、北京、ミュンヘンといった都市も狙われたが、未遂に終わっている)
爆破された場所から爆心地120キロが焦土と化し、大戦以来の多数の死傷者を出した。
大変な大惨事だったのにもかかわらず、また復興を始め、大戦の傷と怨念は完全に潰えようとしていた。
しかし、これから起こる事態は誰も予測していなかった。
そう。あの事件の後、地下の様子をキチンと調査していれば……
今更悔やんでも仕方ない……
私が最後の人類になっていないことを切に祈って……
20XX年5月16日
早乙女研究所アメリカ・マイアミ支部
研究員 ロビンス・J・サトウ
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