愚かな勇者の話

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 異世界商人は僕の住所まで調べ上げて訪問販売にやってきた。  いったいどんな変人かと思ったら、意外にもその人は綺麗なお姉さんだった。きつめの目つき、スーツに眼鏡と、ポイントをよく押さえている。  迂闊にも三次元に萌えそうになってしまった。 「何とも非現実的な話ですが、これが実際にできてしまうのです」  と、目の前に出されたのは精巧な模型が入った瓶。  うさんくさい。うさんくさい事この上無い。  まあ、口には出さないけどね。 「異世界屋の事は調べたよ。買ったら戻ってこれないんだろ?」  まあこれが真面目な話だとしても、そこはきっちりておかなければならない。
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