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男が鷺ノ宮の頭に触れた瞬間。
「ぐおっ!」
「ふんっ、馴れ馴れしく触らないで」
鷺ノ宮が男の手首を掴み軽くひねると、男はその場で回転し苦痛な悲鳴を
漏らし固いコンクリートの地面へと倒れ込む。
「…おうおう、痛そうだね」
するとボスらしき男性は倒れた男に言葉をかけると
次に鷺ノ宮へと視線を移すと、二人は睨み合う。
この場の誰もが思っているだろう、倒れた男は身長190センチ体重100キロを越す大男
それに対して鷺ノ宮は、小柄で華奢な少女、その少女は軽々と大男を倒して見せた
それは何を意味するか、鷺ノ宮は分かっていない
そんな中、また鷺ノ宮は相手を挑発するかのように言う。
「あんたがボスね?」
「…そうだが、その前に俺達が誰か知ってるのか?」
鷺ノ宮の挑発的な言葉に動じず、冷静な態度で言う。
「もちよ、マフィアでしょ?」
親指をぐっと突き立て笑顔で言う鷺ノ宮。
「ほぅ、知っててこれか」
と倒れてる男をチラッと見て言う。
その瞳は恐ろしいほど透き通っていて、突き刺さるような強い力を持つ瞳。
「私に触れていいのは、音矢だけなの」
だが鷺ノ宮も負けじと強い瞳で睨み返す。
その様子を遠巻きに神妙な表情を浮かべ、眺める男達。
分かりやすく言うなら、鷺ノ宮はいつ殺されてもおかしくはない状態。
「………」
「……」
鷺ノ宮とボス、二人は目で会話をしているかのように、顔色一つ変えずに睨み合う。
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