戦うお嬢様…戦慄の歌

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また再び静寂が場を包み込む。 だがその静寂を破ったのは意外な人物だった。 「へいっ!みんな動かないでね」 ラップ警官が自慢のマグナムを構え、警官バッチを突き出しながら鷺ノ宮の横へと並び立つ。 その姿は一見凛々しいような感じだが、実際は顔は引き攣り、足腰はガタガタと震えている。 「フッ、市警の警官か、なら生きて帰すわけにはいかねぇな」 「はぁ…私の邪魔するな!って言ったでしょ」 ラップ警官は鷺ノ宮を助けに入ったつもりだったが その行為は逆効果だったようで、警官の登場でマッドファミリー達は一斉に拳銃を抜いた。 鷺ノ宮も感謝するどころか、深いため息をつき、じと目でラップ警官を睨む。 「…悪いな、お嬢ちゃん」 ボスも上着から黒く光る拳銃を抜き、鷺ノ宮へと突き付ける。 「ふ、フフッ、そんなもんで私を倒せると思ってるの?」 「な、なに…」 拳銃を突き付けられた鷺ノ宮は恐怖に歪んだ顔を見せるどころか 勝ち誇った顔を見せ、肩から下げた小さなバックへと手を入れガサガサと探る。 ふふん、こんな奴ら変身した私の敵じゃないわ。 ガサガサ…… ………… ガサガサ… ………って、あれ? バックを探すが目的の物が見つからず、強気な態度だった鷺ノ宮が次第に焦りを見せる。 なんで、カプセルが無いのよっ! 確か……あ!そうだった… カプセルは二年前にもう変身しないと決めたときに、金庫の中に封印したままだった。 変身できない鷺ノ宮、ファミリー達から拳銃を突き付けられ、まさに絶体絶命な状態。
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