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でも今ならアメリカ行きも夢じゃない。
何故なら。
「お父様はブラジルに行って留守、それに田中も執事協会の旅行でいない」
今なら誰にも邪魔はされないはず。
このチャンスを逃すまいと私は、前から用意していた旅行セットを隠しロッカーから取り出し
お父様に内緒でビル中に取り付けた、監視カメラで
外へと行くルートを探す、すると幸いにも非常階段付近に人影は無い
部屋から出てすぐ非常階段へと向かい階段を使って下に降りれば
すぐに脱出完了。
ツイてる?今日の私は超ラッキーかも。
「よしっ!作戦開始!」
私は旅行鞄を抱え、ポータブルモニターで監視カメラからの画像を確認し
非常階段へと一気に駆け出す。
ガチャと非常階段へ続くドアを開き、そのまま下へと降りる。
「とうちゃ~くっ!」
最後の一段をポンっと軽快なジャンプで降ると、そこはビルの外。
無事に外へ出れたのはいいけど、なんか変。
お父様と田中がいないんだから、私のアメリカ行きを警戒して警備はより厳重になってるはず
なのに誰にも会わなかった、辺りを見回し気配を探るも
SPの気配すら無い、こんなの始めてだ。
「まっ、いいや」
でもこれは絶好のチャンス、私は細かい事は気にせず空港へ向かう事にした。
「では良い旅を」
タクシーを拾い空港に着くと、すぐにニューヨーク行きの旅行券を買う。
これもすんなりと買えた。
「…うん、今日はラッキーディなんだね」
音矢に会えるなら、なんでもいいや。
私は嬉しさのあまり鼻歌なんかを歌い搭乗口から飛行機へと乗る
さぁ、すぐに行くから待っててね音矢。
ついでにバカ女も。
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