11人が本棚に入れています
本棚に追加
数時間のフライトを終ると、ニューヨークに間もなく到着すると機内アナウンスが流れた。
「………」
私はアイマスクを外し窓から外を眺めた。
ニューヨークか、ここに二人が…。
そして空港から一歩踏み出す。
すると。
「へいっ!気分はどうだいブラザー」
「もち、最高だぜっ!」
陽気な黒人達がハイテンションにハイタッチなぞしてる姿や
道の真ん中で恋人同士が熱い抱擁やキスをしている。
「…す、凄い、さすが摩天楼」
正直私は驚いてる、やっぱり日本とは全然違う。
ちなみに私は英語は完璧にマスター済みなの。
と、驚いてる場合じゃない、私は遊びに来た訳じゃないから。
「早く二人に会わないと」
でもどうしよう…。
二人の住所なんて知らないし、探す宛ても無い。
道の真ん中で途方に暮れていると背後から。
「YO!どうしたんだい、困りごとなら俺に任せなっ!」
ドレッドヘアーが印象的な黒人がラップ口調で、話し掛けてきた。
「……」
私はシカトして歩きだす、私みないな美少女にこんな時代遅れのナンパは
通用しないの、それに見た目が怪しいから関わりたくもない。
「へいっ、つれないねぇ」
ラップ男はしつこく話し掛けてくるが、私は振り向きもせず歩き続ける。
「これを見るんだYO!」
「なにっ!もう、しつこいなぁ…何これ?」」
ラップ男は突然私の前に回り込み、バッジらしき物を見せてくる。
それを見た私は足を止めた。
「話し、聞いてくれるかい?ジャパニーズガール」
「…本物ですの?」
ラップ男が出したバッジは国家権力の証ともいえる、警官バッジだった。
といっても本物を見たこと無い私には偽物か本物かは特定できない。
最初のコメントを投稿しよう!