コレクター

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そして、予約当日。 友人が車で迎えにいきました。 店にやってきたその子たちを見て、私ともう一人のスタッフは絶句。 排泄物の匂いと獣の匂いが入り交じり、異臭が… 思わず 「うっっ」 と息が出来なくなるほど。 普段、店内はアロマの良い香りに包まれているのですが、一瞬で悪臭に。 すぐに洗ってしまおうとキャリーからイングリッシュコッカーを出してみれば、あばらが浮き出て、ウエストはそのあばらの半分もない。 骨と皮。 まさに言葉のとおりでした。 肉がどこにもない。 死ぬ間際の姿のようでしたが、意外にも元気はあるらしく、力いっぱい短い尾をフリフリ振ってうんちまみれの足で飛び付いてきました。 見た目は、病的な痩せ具合なのでトリミングをする体力があるのか心配なところだったのですが、四匹とも元気いっぱいですし、なにより排泄物まみれで体が湿った状態でお返しすれば、更に病気にでもなりそうだったのでとにかく急いで洗うことにしました。
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