ペットブームの光と闇

ブーム～ハスキー編～

その頃、世間ではいわゆる保健所というものに、身勝手な飼い主によって棄てられたハスキーが溢れていました。

檻の中をうろうろ歩き回るコ、吠えるコ、隅でじっとこちらを見つめるコ。

テレビでニュースにもなってましたから記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんね。

タイミングよく叔母が現れなければ、その中の一匹になっていたかもしれない。

ハスキーは決して一般家庭で飼いやすい犬種ではないと思います。

これは、最近の話ですが、両親の家の近くに、ハスキーを飼っているお家を発見した母は通る度に眺めていたそうなんです。

来る日も来る日も、屋根のない檻の中で太陽がジリジリと暑い日も、雨の日も、特に屋根もつけてもらえず、移動した様子もない。

これでは虐待じゃないかと母は何度も文句を言いにいこうとしたのですが、結局言えずじまいで、そのまま両親は引っ越しすることになり、その犬がどうなったかはわかりません。

ただ、人づてに聞いたのは、

「番犬だから散歩なんて行かなくていい」
と飼い主が言っていたということ。

決してそんなはずはないんですけどね。