すべてのハジマリ

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月が雲に半分ほど隠れている。 季節は秋をすこし過ぎた頃。 「ふぅ…寒さが程良いな」 どうしてもこの季節は独り言を呟いてしまう。 「いやになるね。ホント」 それをフォローするようにまた呟く。 そして雲に隠れていた月がその白く美しい顔を覗かせた。 「やぁ、今夜も美しいな」 刹那、木の影から黒い何かが飛び出した。
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