じきしょうそう

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「というわけで~。この二つは総称して《キセキ》と呼ぶわけですね~。では次から、細かい部分に入りま~す」 黒板に回れ右をして、生徒たちに背を向けながら、佐野は説明と板書を器用にこなしていく。 「《気輝石》で代表的なものは、肉体強化や超能力などの能力がありますね~。《気輝石》に部類される《キセキ》は、能力使用に自分がトリガーになると覚えてくださ~い。なので、非常に使い勝手が良く、応用が効きます。これは基本的に《気輝石》が肉体へ作用することで発動するので、お手軽に発動出来ちゃうわけですよはい」 そこで一旦区切り、生徒が黙々と写していく様を眺めながら、佐野は少しばかりの間を空ける。 「《機騎石》は前者とは異なり、《騎兵》と呼ばれるモノ召喚するために必要な物質で~す。《騎兵》は条件さえ揃えば、如何なる状況でも出すことが可能ですが……逆に条件が揃わない限りは祈ろうが叩こうが何しようが、絶対出すことはできませ~ん。しか~し、《騎兵》の力はとても強力で~す。まぁ……平たく言えばロボットいきなり相手の真ん前に出すようなものですからね……」 佐野は、「では時間あげるんで~ちゃっちゃとノート書いてくださ~い」と言い、教卓に手を当てながら、欠伸を一つする。
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