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「んじゃ……写し終わったと思うのですが、次にいうことは重要なんで、赤ペン用意してくださ~い」
指示を出されたひかるは筆箱をあさり赤ペンを捜したが、途中で剥き出しになったコンパスに指をぶっ刺してしまい、痛みに顰めっ面を作りながら、自らが赤ペンになってしまった事を静かに呪った。
「一人の人間が扱える《キセキ》の種類は《原則的》に一つで~す。つまり、《気輝石》が使える人は《機騎石》が使えず。逆に《機騎石》が使える人は《気輝石》を使用することは出来ないので~す。ここテストに出ますよ~」
手のひらで白墨を揺さぶりながら、佐野は重点を告げていく。
「ここまでで何か質問ありますか~?」
「先生ぇ!」
「ど~しましたか~?神田くん」
突然前の海斗が立ち上がり、高々と声を張り上げる。またどうせロクなことじゃなだろうな……。
そう解釈したひかるは、暫くの間。意識を鳥たちが舞う蒼穹へと投げた。
「もし二種類の《キセキ》を使おうとした場合……どうなるんですか?まさか……死んじゃうとか!?」
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