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「ヴオ゛~!長ぇ~!!」
「もぉ……だらしないなぁ」
午前中四つの授業を終え、前方で机の上でへばっている神田を眺め、ひかるは呆れながら勉強器具をしまい込んでいく。燃え尽きたように屈伏していた海斗だが、狂ったように笑い始めた。
「フフフフフフフフ……だがしかぁ~し!駄菓子菓子!!俺には重要かつ最も優先すべき……いや、勇戦すべき事柄があるのじゃ~!!」
首が取れるくらいのスピードで後ろを振り向く海斗。《気輝石》でも使ったのかと思わせるスピード……人間の欲って怖い。
「あ……り?上之宮さん?上之宮玲菜さ~ん?」
海斗が病院の受付を彷彿させる物言いをしたので、僕も首だけを動かして確認してみたが……そこには既に彼女の姿は無かった。
「…………はれ?」
いつの間に居なくなったんだろう?いや、移動したんだろう?まだ授業が終わって三十秒も経っていないのに……。
「ヌォォォォォォオ!上之宮さ~~~~~ん!!!どこですかぁぁぁぁぁぁ!?」
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