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「━━以上、欠席者ゼロ人。いいことですね~」
満足そうに口元を弛めながら、日誌と思われるものに記入をしていく。暫くの空白が続いた後、何かを思い出したらしく、佐野先生は机の両端に手をかけながら、「喜べ男子。嘆け女子」と、突然宣告した。
「まさかッ!先生!まさかッ!?」
その意味深な発言を耳にし、海斗が半端じゃないくらいにテンションを上げていく。うん、素晴らしいくらいのやる気だよ。一体全体、どこからその気合いは湧き出てくるんだい?
訳が分からずに頭上にクエスチョンマークを浮かべたひかるを見て、海斗は勝ち誇った顔で尋ねてきた。
「おやおや……?ひかるさんは状況が理解出来ないので?プププ……いや失敬」
ニヤニヤして、今にもは涎が垂れそうになっている海斗。
……取り敢えず気持ち悪いよ。全体的にマズい絵だ。
そのまま放置しておきたかったが、このままだと海斗は完全に変態さんと識別されてしまう。親友のよしみで助け船を出すことにした。
「へ、へぇ~。海斗は予想がついたの?」
「おうともよ!いいか?大事なワードは既に佐野先生が口に出した。《喜べ男子。嘆け女子》…………それはつまり…………」
「それはつまり?」
「転・校・生だぁぁぁぁあ!!しかも美少女に違いねぇぇぇぇえ!!」
拳を高々と突き上げて、革命でも起こしそうな勢いで前の席にいる海斗はシャウトしていた。
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