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『しかし、どうしたものかのう…』
溜息を吐きながら、カマタは言った。
『そうじゃ。このままでは、祭など出来んぞ』
クワバラは、合いの手の様に答えた。
『いかんせん、若い衆も数も居ないのが、迫力に欠けるわいのう』
泣きそうな顔をしながら、オケガワが呟く。
『あ奴らめ、すぐに新しい物に飛び付きおって。ワシらで、何とかせねば』
ツボキは怒りを露にして、叫ぶ。
『そうじゃな。じゃが世間では、見直されているらしいわい。ブームというやつじゃの』
カサイはツボキを嗜める様に、冷静な口調で言う。
『ワシも聞いた事があるぞ。確か…新しい物に飛び付かないで、大事にしようっちゅう事じゃったな』
ショウジは頷きながら言った。
『ワシらも、それを訴えて行こうじゃないか』
ハシモトは立ち上がり、叫ぶ様に言った。
『そうじゃ、そうじゃ』
ハシモトに釣られる様に立ち上がりながら、タタミとホウキが叫ぶ。
『全員で、デモ行進じゃ』
タンスも立ち上がりながら叫ぶ。
こうして、エコマークを掲げた付喪神達の十鬼夜行が、人間達に目撃される様になった。
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