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「You’re my melody 君を奏でるOn&On 君は歌、僕の人生のサウンドトラック。人生の舞台を照らしてくれる君を愛してる。また歌うよ、君は僕の歌~」
癒されます。
初めて聞いた歌だけど、とても素晴らしい歌詞と歌声。
時間が止まったように思えました。
「・・・・・・。」
1フレーズを歌い終えたジュンスはゆっくり目を開けて空を見上げました。
「素晴らしい歌声。」
「ありがとうございます。聞いたことないですか?」
「はい。初めて聞いたけど、素晴らしかった。」
「今の歌、僕達の歌です。」
「僕達?」
「はい。僕、歌手なんです。グループでやってます。」
「そうでしたか。だから上手なんですね。」
「あ、ま・・・。それだけですか?」
「何か?」
「いや、何も・・・。」
「素晴らしい歌をありがとう。」
私はかるく会釈をしてお尻の土をはたきながら起き上がりました。
ジュンスも服をはたきながら立ち上がりました。
「戻りますか?」
「はい。明日もあるし。」
「明日早いんですか?」
「いいえ。」
「じゃあ、どうして?」
不思議そうに首を傾げて聞いていました。
「いつもそうですから。」
「仕事じゃないなら、ゆっくりでいいじゃないですか。明日どっか行くんですか?」
「どこにも。何も考えてないです。」
「明日も僕と遊びましょう!」
垂れ目に力が入りました。
「どうしてですか?」
「一人旅だけど、誰かと一緒にいた方が絶対楽しいですよ!」
自分を納得させるかのように一回頷きながらさらに目に力を入れていました。
「・・・・・・。」
何も答えられませんでした。
「一人旅同志、知らない場所で楽しく!」
右手を差し出し握手を求められました。
私はその右手とジュンスの顔を交互に見ました。
「ねっ!」
垂れ目の力の勢いに負け、私も右手を出し、ジュンスの手を握りました。
月の明かりでうっすらと照らされたジュンスの顔はとても凛々しく見えました。
握られた右手からは暖かさが伝わりました。
その暖かい手から、私の何かを変えようとしているように思えました。
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