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シャッターの音に気付いたのかジュンスが目を開けました。
「今、僕の顔を勝手に撮りましたね。事務所通してくれないと
ダメですよ。」
笑いながら体を起こしました。
「じゃあ、消します。」
その一言にムッと来てデジカメを操作しようとしました。
「ごめんなさい、冗談です。」
ジュンスが手を伸ばして私の手を止めました。
「あなたが有名人だか何だか知りませんけど、私には関係のない事ですからね。」
デジカメの電源を切って、カバンの中に入れました。
「本当に知らないんですね。」
「何度聞けば気が済みますか?」
「だって、知らないって言うから・・・。」
「昨日の歌は素晴らしかったですよ。歌手っていうのも納得です。でも、私には関係のない事です。」
「そう・・・ですね。」
少し寂しそうな表情になっていました。
「あんたら、疲れたろう?田舎飯が口に合うか分からんけど、うちに来て飯でも食ってくか?」
おじいさんがカゴを持ちながら畑から上がってきました。
「是非!」
私は重たそうなおじいさんのカゴを一緒に持ちながら言いました。
「彼氏さんも食うだろう?」
「お腹すきました。」
「よし、うちにでも行くか。ばあちゃん、今日はふんばってな。」
「分かりましたよ。」
4人で収穫した野菜を分けて持ちながらおじいさんの家に向かいました。
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