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「好きな事を仕事に出来るのは一番いい事です。羨ましいな~。」
本音でした。
好きで入社したはずの会社なのに、最初は無我夢中でがむしゃらに頑張っていたけど、気が付けば色々な物に押しつぶされ重荷になって苦痛に感じてしまう。最近では毎日逃げたくなっています。
「仕事、辛いですか?」
「・・・・・・。」
ストレートな質問に答えられませんでした。
「しちゃいけない質問でした?」
「いえ、そんな事はないけど・・・。答えてもしょうがないかなと。」
「人に言いたくない事もありますからね。」
ジュンスのハスキーな声がとても静かに聞こえました。
2人はしばらく無言になりました。
会話がない二人の間に沈黙が流れます。
だいぶ時間が遅くなっているせいか、通り過ぎる人も少なくて余計に変な沈黙になります。
沈黙が嫌なのかジュンスがまた口を開きました。
「彼氏とか作らないですか?」
急な質問でした。
「作ってどうするんですか?いても、時間がなくて会えません。」
「そんなの何とかなりますよ。」
「自分に余裕がないから無理です。」
「いたら、心が満たされますよ。」
「人によってでしょう?ジュンスさんは作らないですか?」
「出来ません。」
「どうして?あんなに人気なんだから、言い寄ってくる人だっていっぱいいそうなのに。」
「そうでもないですよ。だって、この前、そう!うちのメンバーにチャンミンて奴がいるんですけど、チャンミンの女友達が連れてきた友達がユチョンていううちのメンバーの大ファンだったんです。いつも他のメンバーのファンばかりなんです。」
「それぞれ好みがありますからね。」
「いや、ユチョンが一番人気なんです。僕の事好きって言う人はあまりいない・・・。」
肩から力が抜けたように深く落としていました。
「その歌声があれば大丈夫ですよ。」
「歌声だけね。」
笑っていました。
「好きな事を仕事に出来てるんだからそれだけでもいいでしょう?」
「そうですね!」
急に明るくなっていました。
この人は一体どういう波長の持ち主なんでしょうか。全く読めません。
「夕日が沈み、一つ二つ照らされる光に誘われ君へ向かうよ。冷たい風にすくむ君の肩が落ちる前に僕が包むから僕を見て。Love you バカな君、その全てが僕にはとても大切なんだ~。」
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