出会い✨

9/12
前へ
/145ページ
次へ
つられて自己紹介をした後、私は自分の部屋に戻りました。 ジュンスという人は私の隣の部屋に泊まる事になったようです。私の隣の部屋というのが少し気になりますが、私には関係のない人なので、一切気にしない事にしました。 自分の部屋でくつろぎ、ゆっくり過ごしていました。 時間に追われる事のないこの場所が私を癒してくれます。 何もする事がない事に慣れていない私は外を眺めたり、うとうとしたりしていました。 「何もしなくていいんだ~。」 何度もつぶやきました。 夕方になると仲居さんが部屋に夕食を運んでくれました。 一人で食べきれないくらいの品数で戸惑いましたが、全てがおいしくて頑張って食べました。 お腹がいっぱいになり、眠気が襲ってきて、またうとうとしました。 すると、ドアからノックの音が聞こえました。 「はい!」 仲居さんが何かを伝えに来たのかと思い、返事をしてドアを開けました。 「こんばんは!」 かん高いハスキーな声で明るい挨拶でした。 「なんですか?」 ジュンスがドアの向こうに立っていました。 笑顔で私を見ています。 「何してましたか?」 「別に何も・・・。」 「暇ですか?」 「別に。何の用ですか?」 「一緒に散歩しませんか?」 「嫌です。」 「どうしてですか?」 「じゃあ、聞きますけど。」 「はい、どうぞ。」 ふてくされた表情で言う私とは裏腹ににこにこしています。 「どうして私があなたと散歩しなきゃいけないんですか?」 「何となくです。」 「理由になってないので、お断りします。」 「じゃあ、どうして僕と散歩するのが嫌ですか?」 「え?」 答えが見つかりません。 確かに断る理由ははっきりとしてないのです。今日初めて会って、どういう人なのかも知らないので。 「じゃあ、行きましょう!」 「これから寝ます。」 「もうですか?早いですよ。せっかくの旅行ならゆっくり寝ないと。」 「それは私の勝手です。」 「僕は散歩したいんです。」
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

479人が本棚に入れています
本棚に追加