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「“小林昌之”の名はだてじゃないからねー」
西口はクスクス笑ったが、高橋は首をかしげた。
一方大飛は、宮本と哲太とお昼を過ごしていた。
哲太の机に三人分の弁当が乗っている。
「そーいや大飛さぁ」
口をもごもごさせながら、箸で大飛を指して宮本が切り出す。
弁当に夢中になっている大飛は、目線だけ上げる。
「何でバスケ?」
意外にも宮本は真顔だった。
大飛は口の中に残っているものを飲み込んでから口を開いた。
言い掛けて口を閉じ、大飛はウインナーにフォークを刺す。
宮本の弁当はすでに空だった。
答えを待って、大飛を見ている。
ウインナーを口に運ぼうとした手を止めて、そのウインナーを見ながら大飛は言った。
「俺の手からボールが大きく飛んでゴールに入るのが好きなんだ」
視線を下げたまま黙々とパクパクと、大飛は弁当を食べ続けた。
宮本はひたすら弁当を食べる大飛を凝視した。
「大……飛。」
「何だよ」
「かっけぇ。」
短く真顔で宮本は言った。
「な!!からかってんのか!?」
「マジで!!」
その目は確かに真剣で、偽りなく言ってるのがわかった。
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