飛べ!

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西口と小林の視線を感じ、大飛が言う。 「杉崎一久さん!」 あまりにも短い紹介だった。 おそらく小学校の時からの先輩なのだろうと、西口と小林は考える。 「邪魔するぜ」 声のする方を見ると、明らかにガラの悪い奴らがいた。 思わずといったようにバスケ部員が呟く。 「げ、ハンド部」 「おい杉崎~。どーゆうことだよ」 目付きも悪い。 対して一久はにこやかだった。 「何がだい?」 「オレらの部室がなくなってお前らの部室が増えるってどーゆうことだっつってんだよ」 「それは俺らは部員が多くて君らは部員が少ないからだろ?それに生徒会で正式に決まったことじゃないかい?」 ハンド部はまくしたてるように反撃をする。 「んなこたどーでもいーんだよ!」 「てゆーかお前が根回ししたんじゃねーの?」 ハンド部が一久にからむ中、見ているしかない四人は、しかし移動する事もできなかった。 「どゆことっすか?」 西口が問う。 「かずさん生徒会役員なんだよ」 「ほう」 西口はそれだけ呟くと、再び一久たちの会話を聞きに戻る。
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