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「根回し?とんでもない。そんなことをして成り立たせても他の部長達が納得しないだろう?それに議題として部室の見直しを提案したのはバレー部で生徒会は予期してないことだったし、岸谷先生も証明してくれるよ」
にこやかなままに淡々と一久は述べる。
「そんなん知らねーよ!」
「参加しなかったのは君らだろう?どうしてもと言うなら生徒会に直訴してくれ。話し合おうじゃないか」
ハンド部の面々は言葉に詰まってしまった。
言葉では勝てない。
「じゃ、行こうか」
会話の終了を悟り、大飛たちに向き直って一久は言った。
歩きだそうとした彼らに、ハンド部が怒鳴る。
「ちょっと待てよ!!」
軽くため息をつき、呆れ顔で一久は振り返る。
「まだ何かあるのか?」
瞬間、ハンド部はにやりとした。
「……そいつらが新入部員?」
「うわ!!ちいさっ!!バスケできんのかよ!」
「そんなできそーにもねー奴らのために部室がなくなるなんて納得できねーなあー」
無理矢理な論理なのは明らかだった。
そして矛先は、大飛だ。
小さいと言われて黙ってはいられない。
上級生でもそこは譲れない。
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