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金色の幼馴染みと別れて五年。
十二の夜が忘れなれない。
人買いをしている父の笑顔。
『仕事の時間だよ』っと言われてボロい民家へと歩いて行った。
「頼む、この娘だけは助けてくれ唯一アイツが残した物なんだ」
みすぼらしく痩せたおじさんが床に額を擦りつけながら呻く。
『しかし、約束のお金は払え無いのでしょう?』
父は苦笑気味に皮肉る。
「お金はいつか払うから待ってくれないか?」
『約束の期日は今日ですので』
「貴方も人間なら、少しだけの情けを下さい」
涙ながらにおじさんは少しのお金を差し出した。
父は何故か笑った。
『目出度いですねぇ【人間なら】そんな綺麗事が通ると思っているんですから』
「しかし、正義と言うものが、、、人間は正しく生きると気持ちが有るのではないでしょうか?」
怯える娘を後ろに、尚もおじさんは食い下がっている。
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