もう一対の蝶
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音。渇いた嫌な響き。 息。呻きく痩せたおじさん。 それらを穢わらわしいと言わんばかりに、父は鼻で笑い家を出た。 家までの道程(みちのり)は少女の泣き声と秋の虫の音。 少し俺が黒く成る。 悠里に逢いたい。 ただ、其だけを思った。
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