電車(前編)

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松田が本当に不良じゃないのかどうかとか、そんな事はどうでもいい。 今集中すべき事は! いかにして電車に振り落とされずに目的地まで到達するか、という点だが…… これは簡単に解決した。 「おい!藤崎!こりゃあいいぜ!めちゃくちゃ楽チンだぁ!!」 俺は声に反応し、横にいた松田の方を振り向くと、そこには自分の考えを遥かに超越した世界が、眼に飛び込んできた。 ば、バカな…… 荷物を置ける金網に寝転がっているだとぉ!!!!!? な、なんて迷惑極まりない行為…… あれじゃ他の人が荷物を置けなくなる…… 荷物を持つ手が限界を迎えてしまったら、もはや荷物を見捨てるしかない……泣く泣く荷物を奈落に落とす事になる…… 松田……俺はお前を見誤っていた…… お前は……やっぱり不良だった…… さすが『ごくせん』のエキストラに出演していただけの事はある。
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