4人が本棚に入れています
本棚に追加
いやいや 完 じゃない。
あと一駅で生還…ハッピーエンドを見るまでこの話は終わらない。
めちゃくちゃ辛いこの状況下で、松田はいまだに金網の上で悠々とエクスペリアをいじってやがる。
殺してやりたい衝動に駆られるが、それ以上に俺の腕の疲労感がやばい。もうだめだ。
ガタンッ!!
「あ」
あらま
急なカーブによって、俺はあと一駅というところで吊り革から手を離してしまう。
離した0.2秒後にはもう既に脳内で走馬灯が再生され始めた。
フィルムの準備が速すぎだろ、俺の脳内。
とか考えていたら
ガシッ
誰かに手を掴まれ、俺は落下を免れていた。
誰だ?
俺は上を見ると、そこには金網野郎の松田が俺の手を掴んでいた。
「あぶねぇな。俺がいなかったら今日緊急集会が開かれるところだったぜ」
助けてくれたのが普通に松田だったという見事にオチのない展開。
結局目的地までようやくたどり着き、無事に電車から降りることができました。
「なるほど、落ちないとオチが無いをかけたお話だったのか」
松田が意味不明な事を言い出したのでシカトした。
最初のコメントを投稿しよう!