電車(後編)

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いやいや 完 じゃない。 あと一駅で生還…ハッピーエンドを見るまでこの話は終わらない。 めちゃくちゃ辛いこの状況下で、松田はいまだに金網の上で悠々とエクスペリアをいじってやがる。 殺してやりたい衝動に駆られるが、それ以上に俺の腕の疲労感がやばい。もうだめだ。 ガタンッ!! 「あ」 あらま 急なカーブによって、俺はあと一駅というところで吊り革から手を離してしまう。 離した0.2秒後にはもう既に脳内で走馬灯が再生され始めた。 フィルムの準備が速すぎだろ、俺の脳内。 とか考えていたら ガシッ 誰かに手を掴まれ、俺は落下を免れていた。 誰だ? 俺は上を見ると、そこには金網野郎の松田が俺の手を掴んでいた。 「あぶねぇな。俺がいなかったら今日緊急集会が開かれるところだったぜ」 助けてくれたのが普通に松田だったという見事にオチのない展開。 結局目的地までようやくたどり着き、無事に電車から降りることができました。 「なるほど、落ちないとオチが無いをかけたお話だったのか」 松田が意味不明な事を言い出したのでシカトした。
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