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そうだ……そんな当たり前の事に気づかないわけがない。
当然の如く、イスは満席。
イスを獲得した者は余裕な表情で通勤、通学していた。
「くそっ……これからは五分早めに電車に乗り込んで席を確保しなければ……」
俺は今日の教訓を生かし、明日からはちゃんと早起きをする事を決意する。
「ククク……無様な姿だねぇ……藤崎ぃ」
!?
目の前の席に座っている髪をツンツンに尖らせた不良が、俺の名前を口にした。
そいつは、俺の友達である。
「松田……ちっ、席を確保していたのか……」
「ああ……偶然早起きしちまってな。親に『お爺ちゃんか!』ってツッコミを入れられちまった……!!藤崎よ……俺は……お爺ちゃんなのか?」
「お前って結構メンタル弱いのな」
こんなに落ち込んでいる松田を見るのは久し振りだった。
思わず思った事を口に出してしまった。
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