2人が本棚に入れています
本棚に追加
成人男性と小学生の共同イタズラ作戦。
男性は大人の賢い知識。
少年は子供の違う視点からの意外な発想。
=
ライトが瞬く。
銃声が遠く遠く流れていく。
「おい!いたぞ!」
「追えーっ」
怒声が聞こえる。
だが、その男はそれら全てが一つ壁の向こうにあるような不思議な感覚に陥っていた。
「...はっ。捕まるかよ...」
「やっと、やっと手に入れたんだ」
全てを覆い尽くす闇の中で男は呟く。その手には何かが握られていた。
額にはうっすらと汗を浮かべ、心臓はやや不規則に早鐘を打つ。
裏道を通り、そこらに転がっている酒瓶を蹴飛ばす。
緩やかな軌道を描き、瓶は寝転んでいた酔っ払いの頭に直撃するが、彼にはそんなことを気にしている余裕などなかった。
男の頭にあること。それはただ一つ早くアパートに着くことだけだ。
==
顔を見合わす。
「はっ、お前やるな。その考えは思いつかなかった」
「あんたこそ」
「「いっちょ共同作戦といくか」」
拳をぶつける。
===
ドアを連打、連打、連打
「おい、ジム!でてこい!ペティに振られたくらいで情けない!」
「ほっといてよ!」
「お前あれか。長年の片思いってやつか?かーっ、青春だねぇ」
「うっさい!恋愛経験ゼロのやつに言われたくないね!」
「残念だったな、俺はあるぜ?何歳だと思ってる。鼻たれ小僧とは違ってなあーっ、超絶美人と付き合ってたっつの」
「エイプリールフールはもう過ぎたよーっ、ブラッド」
「おい!待てお前それどういう意味だコラ」
「そのまんまの意味さ。ゴリラみたいな顔しちゃってさ」
「でてこい!今すぐしばいて口聞けなくしてやるっ」
「やーだねっ」
「ジム!」
最初のコメントを投稿しよう!