陰日向に咲く

2/2
前へ
/499ページ
次へ
『陰日向に咲く』 劇団ひとり 幻冬舎      笑っちゃいました。  だって主人公からしてホームレスに憧れるエリート、Aボーイ、フリーターでしょ。こういうの好きなんです。  本作は短編集ですが、どれも視点の切り口が鋭くてお笑い芸人の潜在能力の高さがうかがえます。 『私は弁当を買う金を持ってます、とアピールするためだった』 といった意味のない過剰なアピールをこれでもかとカブせてくるのがいい。 『あちゃー。な、なんと新憲法の提出は今国会では見送りだよーん。しょぼーん』  云ってる内容と口調のギャップがすごい。芸人さんはこういうのを瞬間的に思いつくんでしょうね。  個別にみると『道草』が好みですね。  トリックとか伏線、ラストのやるせなさ救われなさ、それを見据えたキャラ設定など上手すぎです。  短編をつむぎながら全体につながりを持たせる編集は、   『ララピポ』 奥田英朗 幻冬舎   に習ってるのではないでしょうか。  同じ幻冬舎だけに勘繰ってしまいます。まあ、話しの追いこみ方は奥田さんのほうがうまいんですけど。 ↑当たり前  劇団ひとり注目です。     了
/499ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加