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全身緑のタイツのようなもので覆われているそれは人の形をしてはいるが、頭部には爬虫類のような複眼。
奴がこちらに近づいてくるにつれて、全身タイツだと思っていたものはそいつの肌のようなものだとわかった。
このガキとは比べものにならないくらいに普通じゃない。
さらに突然奴の手元にナイフのような刃物が現れたのだ。
こいつ、ヤバい。
俺はガキから手を離した。
「もう逃げられん。俺様の最後の慈悲だ。逃げろ人げ……むぐぅ!」
ぐだぐだうるせぇガキの口に俺は肉まんを突っ込んだ。
俺の夜食だったが仕方ない。
空になったビニール袋をポケットに入れる。
「それ食って待ってろ」
この一連の流れで分かったのはこのガキが緑タイツに狙われていて、緑タイツが普通じゃないってことだ。
「お前のようなハグハグ……人間がハグ……勝てるような相手ではないハグハグ……」
「ものを食いながらしゃべるな。それにしてもよく俺が戦おうとしてるのがわかったな」
「そういう目をしている」
本当にただのガキじゃなさそうだ。
緑タイツをぶっ飛ばしたら話を聞く必要があるな。
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