3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「で、いつよ?」
「月末。二月最終日」
「オーケー。了解」
「ちなみに本数は分かってる? 六本だからね?」
「――は? なに言ってるの、お前。十八もさばよむか?」
「いいの。それだけしか誕生日迎えてないんだから」
彼はちっとも納得してない顔で、ぱらぱらと手帳をめくる。
カレンダーを見たのか、「あ」と声を上げた。やっと気付いたか。
「なるほど、六本ね」
「そ。二月二十九日、忘れないでね」
彼が笑って、あたしも笑う。
四年に一度の誕生日。今年はきっと、ずっと特別な日になる。
了
最初のコメントを投稿しよう!