「366」

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「で、いつよ?」 「月末。二月最終日」 「オーケー。了解」 「ちなみに本数は分かってる? 六本だからね?」 「――は? なに言ってるの、お前。十八もさばよむか?」 「いいの。それだけしか誕生日迎えてないんだから」  彼はちっとも納得してない顔で、ぱらぱらと手帳をめくる。  カレンダーを見たのか、「あ」と声を上げた。やっと気付いたか。 「なるほど、六本ね」 「そ。二月二十九日、忘れないでね」  彼が笑って、あたしも笑う。  四年に一度の誕生日。今年はきっと、ずっと特別な日になる。 了
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