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その日から、父さんはいなくなった。近所の人からは、犯罪者のレッテルを貼られた。
仲が良かった親友も、『母さんが話すなって言ったから…』とか言って、綺羅の周りからいなくなった。
こうなると、やはり引っ越ししかなかった。
見送りには、先生方しか来てくれなかった。俺は、鞄のポケットの中に母さんの大事な薬を入れたままだ。
でも、転校も意味を成さなかった。噂は簡単に広がる。ここでも犯罪者扱いだった。
叫びだしたかった。
犯罪を犯したのは俺じゃないと。
そして、父さんは本当はとても優しいんだと。
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