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刑事さんが俺に気づき、貼り付けられた笑顔で近づいてきて、目線を合わせ話しかけてくる。
「やぁ、綺羅君。…君のお母さんから聞いた話だとね、お母さんのイケナイお薬の一部、君が持ってるようなんだけど…」
母さんの方をチラと見る。出すべきか、出さないべきか。
「綺羅……出しなさい」
…母さんが、そう言うなら
俺は、自分の部屋に行きお気に入りの黒い鞄を持ってくる。その鞄の一番浅いポケットに、ソレは入っているのだ。
「これ、です…」
刑事さんは俺を1回睨み付けてから、その薬を受け取った。そしてその場で覚醒剤かどうか調べ始め、反応が出たのか薬をジッパーの袋に入れて鞄の中に押し込んだ。
「それでは、他にも覚醒剤があるかどうか明日家宅捜索を致しますので。とりあえず今日は、ご同行願います」
そういうと、刑事さん達は母さんを乱暴に立たせた。
「ッ……!!母さん!!」
つい、刑事さんに殴りかかる。しかし、それは大人の力によって止められる。
「あーあー綺羅君。君も来てもらうよ?少し聴取と、それから君のお父さんの知り合いの家に預けるから」
…知り合い??
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