底。

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「や、めろ…そんな、怖い…」 嫌だった。犯罪者扱い邪魔者扱いで他人の家なんて。 すると、刑事さんは哀れみの含んだ声で言った。 「本当に可哀想に…君のお母さんがこんな事しなけりゃねえ…さ、行くよ」 外に出ると、いつもと変わらない夕日。いつもと変わらないカラスの大群。 でも俺は、そのカラスを全部撃ち殺して羽を剥ぎ取って切り刻んでやりたい衝動に襲われた。そして、これが犯罪者の血か、と怖くなった。 ふと左を見ると、綾菜がいた。あーあ、カッコ悪いところを見られたな。パトカーに乗るところなんて―― ふと綾菜から目を逸らすと、綾菜は叫びだした。 「き、綺羅君!!待ってるよ、私待ってるから!!」 …何言ってんの。俺は捕まらないよ?俺は…犯罪者じゃない。 「綾菜―――。」 口パクで、可愛いね、と伝えてみた。これが最後の会話になることを決意して。 .
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