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目の前には鬼がいる。
鬼は金棒を両手に引きずって光の無い目でこちらに歩み寄ってくる。
「ずいぶんと元気が無いな」
細身で背の低い少年が少々横柄な口調で鬼にたずねる。
「……はい。最近、また給料が引かれましてね……更に安月給になりまして。これだと何回、人を恐怖に陥れてもそれに見合うだけの報酬が出ないのですよ……」
「で、もう疲れたから俺にあの世に送ってほしいと」
「はい……」
鬼は手を開いて金棒を地面に響かせ、肩を落とす。
(カルビゴン卍)
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