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AMSの接続レベルを下げ、少し待っているとすぐに輸送機が到着した
俺は上空で待機するそれに乗るため、ブースタを噴かして上昇、後ろのハッチから中に入った
「ご苦労様、後は俺達が機体の面倒見てやるから、休んどきな。」
ノースをロックすると、声をかけられる
足元(ネクストの視点のため)を見ると、俺の専属整備士であるハパスがレンチを持って待機していた
「あぁ、すまない、頼むよ。」
ノースから降りると、少し体に違和感を覚える
四脚型ネクストに乗っているリンクス特有の事なのだが、どうも自分の足が足りない様な気がしてならない
と言っても、降りた後、少したてばなんともないのだが
「背中やられたのか、ローゼズらしくもない、御姫様は油断なさったのですか?」
ハパスが笑いながら小馬鹿にしてくる
冗談だと解っていても腹が立ってしまうのが人のさがだ
「誰が御姫様だこの…次に言ったらノースで踏み潰すぞ。」
「悪い悪い。」
ちっともそんな事を思っていないだろうに
ニヤケながら謝るハパス
全くもって腹が立つ奴だが、どうにも憎めない
御姫様…という呼び方はローゼズを構う奴らの間では常で、中性的な顔立ちに長い髪なためそう呼ばれてしまっている
なんともはた迷惑な事極まりない
これ以上ハパスと話している元気も残っていないため、サイフォスの所へ向かう事にした
サイフォスならミッション中以外はあまり喋らずに静かだからだ
背中の装甲が焼けたノースを少し眺めた後、輸送機に設けられている個室に向かった
「よう、お疲れ。」
俺は中でコーヒーを飲んでいたサイフォスに軽く声をかける
「………飲むか?」
来るのが解っていたのか、コーヒーを差し出すサイフォス
最近、予知能力でもあるんじゃないかと思っているんだが、口には出さず、コーヒーを受けとる
「ありがとよ。……ところでサイフォス、次の依頼はまだだよな?」
コーヒーを口にしながら気になる質問をする
流石に連続で出撃は体がこたえる
「………無い…な…。」
端末を確認しながら呟くサイフォス
しかしまぁ、あまり褒めたくはないのだが、コイツの煎れてくれるコーヒーは美味い
毎回依頼を無事完遂出来た後に飲むのが習慣化してきたが、未だに全く飽きがこない
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