悪ノ娘

3/15
前へ
/36ページ
次へ
悪の華は可憐に咲くの。 鮮やかな彩りでね。 私はふと部屋にある花瓶に立てられた薔薇を見る。 一本だけとても綺麗に咲いているわ。 でも、他の薔薇は全然だめ。 萎れているわ。 あの綺麗に咲いた一本の薔薇は私。 他の薔薇は愚民とか。 そう・・・愚民たちは、私の養分となり朽ちていくのよ。 ・・・薔薇じゃ、薔薇がかわいそうね。 雑草でいいわね。 「クスクス・・・」 私は笑いを堪えきれなかった。 私は容姿はいいほうに生まれてきた。 だから、微笑むとたいていの男は顔を赤くするわね。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加